ゲームのリリースをSteam・YouTube・Twitchに同時配信する方法
発売日の配信は、やり直しがききません。開発者やパブリッシャーが1本のライブ配信をSteamのストアページ、YouTube、Twitchに同時に届けるための実践的なプランを、リリース前のトレーラーループ、進行表、プラットフォームごとのチャットモデレーション、アーカイブの計画とあわせて紹介します。
読了目安:約9分
この記事の内容
ゲームのリリースをSteam、YouTube、Twitchに同時配信するには、OBSから1本のライブ映像を中継サービスに送り、そこから3つすべてに転送します。リリース前の数時間はトレーラーのループを流し、各プラットフォームのチャットにはそれぞれ専任のモデレーターを配置しましょう。ストリームキー、タイトル、Steamの配信許可は数日前までに準備し、非公開でリハーサルを行います。
これは発売日のためのプレイブックです。ストアページの設定そのものについてはSteamストアページで配信する方法をご覧ください。ここでは構成、スケジュール、そしてリリースボタンを押した後に何が起きるかを扱います。
この記事のポイント
- 自宅で3本の配信をエンコードするのではなく、OBSの映像1本をSteam、YouTube、Twitchに中継しましょう。
- すべての配信先が同じ映像を受け取るため、どの配信先でも受け付けられるエンコーダー設定を選びます。
- リリース前は録画であることを明示したトレーラーループを流し、その後ライブ番組に切り替えます。
- 各プラットフォームのチャットにそれぞれモデレーターを付け、共通のエスカレーション手順を決めておきます。
発売日の構成:映像1本、配信先3つ
ゲームのビルドを動かしているPCから3本の配信を別々に送り出すのは、最悪のタイミングでフレーム落ちを起こす一番の近道です。代わりに、OBSから1本の映像を中継サービスに送り、そこからSteamのアップロードサーバー、YouTube、Twitchに転送してもらいます。自分の回線で送るのは配信1本分だけです。
3つの配信先すべてがその1本の映像を受け取るため、最も条件の厳しい配信先でも受け付けられる設定を選びます。H.264、AAC音声、固定ビットレート、2秒のキーフレーム間隔です。Twitchは多くのチャンネルに対して6,000 kbps前後に抑えるよう案内しており、Valveのセットアップページにも独自の上限が記載されているため、1080p30で4,500〜6,000 kbpsが無難な落としどころです。
可能であれば2台のマシンを用意しましょう。1台でゲームを動かし、もう1台でOBSとチャットのモニターを動かします。
2週間前:キー、許可、リハーサル
- Steam:発売日とその後の数時間をカバーする配信イベントを通じて配信用アカウントを承認し、RTMPトークンを作成します。
- YouTube:ライブイベントを予約して、共有できる公開の視聴ページを用意します。カスタムサムネイルとストアへのリンクも設定しましょう。
- Twitch:タイトルとカテゴリーを事前に設定します。アフィリエイトやパートナーの場合は、Twitchの同時配信ガイドラインに従ってください。画質を同等にし、Twitchの視聴者をほかへ誘導しないことが条件です。
- リハーサル:中継サービスを通して本番どおりに非公開で通し、Steamではフレンドのみ、YouTubeでは限定公開または非公開に設定します。
リハーサルでは、すべてのシーン切り替えの時間を計り、OBS上だけでなく3つのプラットフォームすべてで音量を確認しましょう。残りの項目は公開前に配信をテストするためのチェックリストで確認できます。
視聴者を引きつける発売日の進行表
- リリースの3〜4時間前:ストアページでトレーラーとゲームプレイのループを開始します。リリース前のリプレイであることを明示し、リリース時刻を画面に表示します。
- 30分前:ループを止めてOBSからライブを開始します。早めに来た視聴者を歓迎し、チームを紹介し、これから起きることを説明します。
- リリースの瞬間:カメラの前でSteamworksからゲームをリリースし、ストアページが公開される様子を見せます。
- 最初の1時間:ゲームの序盤をプレイし、その間にチームメンバーが3つのチャットから質問を読み上げます。
- 2時間目:よくある質問に答え、既知の不具合とパッチの予定に触れ、テスターやコミュニティのメンバーに感謝を伝えます。
- 締めくくり:明確な行動の呼びかけ、アーカイブの予定、次回配信の時刻を伝えます。
Steam、YouTube、Twitchのチャットを同時にモデレートする
リリースには最大の視聴者が集まり、その中には荒らし目的の人もいます。プラットフォームごとにチャットとモデレーションツールが異なるため、プラットフォーム単位で計画しましょう。
- チャットごとにモデレーターを1人。当日より前に、そのプラットフォームでモデレーター権限を付与しておきます。
- 禁止ワードとリンクの設定を事前に行い、詐欺リンク、キーのおねだり、差別的な表現をカバーします。
- 低速モードを準備しておきます。チャットの流れが急加速するリリースの瞬間に備えます。
- 共通の裏チャンネルを用意し、モデレーターが司会者向けの質問を伝えたり、BANについて合意したりできるようにします。
司会者はモデレーションをすべきではありません。司会者の仕事は、話し、プレイし、モデレーターが拾い上げた質問に答えることです。価格、対応プラットフォーム、ロードマップについての短いFAQをモデレーターに渡しておけば、繰り返し出る質問には司会者抜きで答えられます。
リリース後:アーカイブ、クリップ、ストアページ
3つのプラットフォームでは録画の扱いが異なります。YouTubeは設定を変えない限り配信を動画としてチャンネルに残すため、フル尺のアーカイブを置くのに最適な場所です。Twitchは過去の配信を限られた期間しか保存しないので、残したいものはダウンロードしておきましょう。Steamはストアページの配信をまったく録画しません。
そこから、リリース後のプランが決まります。
- 番組全体のバックアップとして、OBSでローカル録画しておきます。
- ストアページへのリンク付きでSNSに投稿するハイライトを切り出します。リリースの瞬間、最高のゲームプレイ、重要な質問への回答などです。
- 最も強い部分を集めたリプレイのループをストアページ用に作り、リプレイであることを明示して、発売週の間流し続けます。
StreamHouseで発売日を運用する
StreamHouseは、この1日の前半と後半の両方をカバーします。リリース前は、トレーラーとゲームプレイの録画をアップロードしてプレイリストを作り、アップロードサーバーとRTMPトークンを使ってSteamを配信先に追加します。スケジューラーを使えば、数時間前にループを開始できます。クラウド上で動くので、誰のPCも占有されません。
ライブ番組にはOBSからのマルチ配信を使います。OBSのマシンからStreamHouseに映像を1本送れば、各プラットフォームのキーを使ってSteam、YouTube、Twitchに分配されます。配信先を追加しても配信枠は余分に消費せず、プラットフォーム側で不調があっても配信は自動的に再接続されます。
リリース後は、最も良い部分をアップロードしてストアページ向けのリプレイループを再開しましょう。配信中にパッチノートの動画を追加することもでき、変更は配信を止めずに次の動画から反映されます。まずはSteam配信のページから始めてください。
よくある質問
1本の配信をSteam、YouTube、Twitchに同時に送れますか?
はい。Valveの配信FAQでは、ストアページの配信はSteam独占である必要はないとされており、Twitchもアフィリエイトとパートナーに対してガイドラインの範囲内での同時配信を認めています。1本の映像を中継サービスに送り、各プラットフォームのサーバーとストリームキーに転送してもらいましょう。
リリースのマルチ配信にはどのビットレートを使うべきですか?
すべての配信先が同じ映像を受け取るため、どの配信先にも合う値を選びます。1080p30で約4,500〜6,000 kbps、キーフレーム間隔2秒であれば、Twitchの一般的な案内とSteamに記載された上限の範囲内に収まります。まず各プラットフォームの最新の推奨値を確認してください。
リリース配信はライブと録画のどちらがよいですか?
視聴者は質問をしたり、リリースの瞬間を見たりしたいので、リリースそのものはライブが最適です。録画済みのトレーラーループは、リプレイであることを明示していれば、番組の前後に役立ちます。
ゲームのリリース配信はどれくらいの長さにすべきですか?
小規模なチームの多くには2時間程度が適しています。短い挨拶、リリースの瞬間、1時間のゲームプレイ、質疑応答のコーナーという構成です。発売週の残りは、リプレイと明示したループでカバーできます。


